2 262019 鞆の蔵を改造した店舗 リノベーション・お客様の声 2019年2月26日 須藤工務店にお願いしたきっかけは? 須藤社長と私は同じ鞆町出身で、彼のほうが2つ後輩なんです。今回のリノベーションも、実は須藤さんのアイデアでした。町内の祭りの準備を一緒にしているときに「蔵を改装して、うどん屋でもしたらどうか」と言われ、夢心2号店「みなと夢ごこち」としてオープンすることを決めました。 蔵はどのくらい年数が経っていたのですか? 私自身は明治期のものと思っていたのですが、蔵を解体するときに大学の教授から、「調べてみないとハッキリしたことは言えませんが、もっともっと古い時代に建てられたものだと思いますよ」と言われて驚きました。ちょうど、我が家付近一帯は国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されていたので、改装工事は蔵をそのまま生かすように進めてもらいました。屋根は本瓦葺き、壁は漆喰塗り、なまこ壁もそのまま生かして、なるべく鞆の景観を損なわないようにしてもらいました。 蔵の中にはお宝もあったのでは? 長い間物置にしていたので要らないものばかりでしたよ。ただ、船乗りをしていた親父が残したものだと思うのですが、分厚いスギの板が40~50枚と大きな長石が何本か出てきました。須藤社長に相談したところ、これは再利用しようといわれ、板は半分の厚さにカットして天井材に、長石は柱の礎石(柱の下に敷く基礎石)と1本はお客様の足置きとしてカウンター下に置いてくれました。思い出を眺めながら仕事が出来るのが嬉しいですね。 店舗づくりでこだわったところは? カウンター席の前の付け台の高さです。料理は温かいうちに食べていただきたいので、お客様の箸の進み具合が料理する私からちゃんと見える高さにしてもらいました。こだわったのはこれだけです。うどんに限らず、寿司や天ぷらなど、お客様の好みに合わせたものを出していきたいと思っていましたから。後は、調理場や客席の配置を大まかに伝えただけで、全部お任せしました。その結果、カウンター席にはヒノキの一枚板を置いてくれ、テーブル席はスギの一枚板を切り分けて贅沢に使ってくれました。 蔵が生まれ変わっていく姿を見ていかがでした? とにかく大工さんや左官さんの仕事ぶりに毎日感動していました。親切で丁寧で技術力も高い。細かい図面を作らなかったものですから、私に一つひとつ確認して仕事を進めてくれるんです。職人さんの勘もすごかった。蔵の梁と天井の間の歪な空間をふさぐために板を切っていたのですが、空間を測らずとも切った板がキレイにぴったりハマるんですよ。それを見ていて、「料理と同じだなぁ。経験があるから“いい加減”が最適なんだ」と思わず唸ってしまいました。本当に素晴らしい職人さんを雇っている工務店だなと、後輩を見る目も変わりましたよ。 須藤工務店にメッセージをお願いします。 期待以上の店にしてもらえて大満足です。これから、この店が地元の人や観光に来られた人に愛される店になるよう頑張っていきます。今後も何かあれば頼らせてもらいますし、周りにも「あそこなら間違いない!」と紹介していくつもりです。本当にありがとうございました。 Tweet Share Hatena Pocket feedly Pin it リノベーション・お客様の声 カウンター, ひのき, 伝統, 店舗, 本瓦, 杉, 柱, 漆喰, 物置, 瓦, 礎石, 素材の再利用, 蔵, 鞆 蔵と木材を再利用した店舗へのリノベーション 前の記事 丈夫な母屋を住まいに活かしたリノベーション 次の記事